第1話:那須神社
「大田原の風が導いてくれた場所」
― 那須神社(栃木県大田原市)
はじめに:ハッチとココロのささやき
まだ神社は見えないのに、不思議と心がふわっとほどけていくような感覚がありました。
ハッチ:「まだ見えていないのに…すごい力を感じたんだ」
ココロ:「でも、それは全然こわくない。ふわっと、包まれる感じだったよ」
参道で出会った“見えない何か”
栃木県大田原市にある那須神社を訪れたのは、ある静かな日でした。
通りから長く続く一本道の参道へ足を踏み入れると、両脇の背の高い木々が風とともにやさしく揺れていました。
その風の音は、まるで道しるべのように、心を穏やかに整えてくれます。
まだ本殿は見えないのに、遥か向こうから何か…とてつもなく大きな力が、静かにこちらへと流れてくるような感覚がありました。
手水舎でのひととき
参道の途中、緑に包まれるようにして佇む手水舎。
龍の口から流れ続ける水の音が、森の静けさに溶け込んでいました。
ハッチは静かに手を清め、目を閉じます。
清らかな水が、指先から心へとすっと流れ込んでくるようでした。
ココロは水面をじっと見つめながら、何かを感じ取っているようです。
それは、長い年月の中で繰り返された祈りの“残響”だったのかもしれません。
苔の橋を渡って
そして、ふたりは苔むした橋の前に立ちました。
長い時間をかけて静かに息づいてきたような、柔らかな緑の橋です。
一歩足を踏み出すごとに、地面がやさしく受け止めてくれる感覚がありました。
無言のまま、ふたりは橋を渡ります。
足元には灯籠、頭上には木漏れ日。
そのすべてが「今この場所にいること」を祝福してくれているようでした。
守られ続けてきた祈り
苔の橋を渡った先にあるのが、本殿です。
声を持たず、ただそこに在り続けるその姿には、言葉以上の重みがありました。
何かを語るわけでも、見せつけるわけでもありません。
ただ、長い間ここを訪れる人たちを見守り続けてきた——その“在り方”が、胸を打ちました。
私はその静けさに包まれながら、自然と涙がこぼれていることに気がつきました。
無理に語らなくてもいい。何も強制されない。
ただそこにいていいと、そう語りかけてくるような神社でした。
強さとやさしさの“共存”
那須神社で感じたものは、「大いなる力」でした。
けれど、それは決して威圧的ではなく、訪れる人の心をそっと撫でるような柔らかさを持っていました。
誰かの心の奥の奥に、静かに火を灯すような場所。
その存在を知れただけで、今日という日が特別に思えてきます。
最後に:ハッチとココロの旅の記録
参拝を終え、風の中にしばらくたたずんだふたり。
鳥居をくぐって振り返ったとき、もう一度深く息を吸い込みました。
ハッチ:「ここ、また来たいな。泣いたのに、すごくすっきりした気がする」
ココロ:「この風は…誰かの願いが、ずっと吹いてるのかもね」
📸 那須神社の実写フォトギャラリー|ハッチの一言メモつき







📌 那須神社の基本情報
名称 | 那須神社(なすじんじゃ) |
---|---|
所在地 | 栃木県大田原市南金丸1628 |
御祭神 | 誉田別命(ほんだわけのみこと・応神天皇) |
ご利益 | 厄除け・勝運・五穀豊穣・家内安全など |
歴史 | 創建は不詳とされていますが、平安時代の記録にも名が残る古社です。 那須氏の氏神として信仰され、現在も地域の人々に大切に守られています。 |
見どころ | 杉並木が続く参道、本殿前の苔むす橋、手水舎の龍口、静かな拝殿など 四季折々の風景に心が洗われる空間です。 |
アクセス | ・JR西那須野駅より関東自動車バス「五峰の湯線」約30分「八幡神社前」下車 徒歩5分 ・JR那須塩原駅より大田原市営バス「那須塩原線」約50分「道の駅 那須与一の郷」下車 徒歩約10分 ・東北自動車道「西那須野塩原IC」から車で約30分 |
公式サイト | https://nasujinja.jp/ |