神社紹介

神社紹介 第3話|大阪市「露天神社」|恋の願いと、静かな龍の水音

第3話:露天神社

「都会に浮かぶ、やさしさの神域」

― 露天神社(大阪府大阪市北区)

はじめに:ハッチとココロのささやき

ビルのすきまを抜けて、ふと気配に気づく。
ハッチ:「なんだか、ここだけ空気がちがうね」
ココロ:「都会の音が、すっと遠くなっていく気がする…」

緑のアーケード参道

鳥居をくぐると、そこには思いがけない緑のアーケードが広がっていた。
まっすぐな道沿いに、ハート形の絵馬が風に揺れている。
笑い声や願い事が、そこにそっと留まっているようだった。
ハッチはゆっくりと歩きながら、ココロと視線を交わす。
この場所が、多くの「願い」に包まれてきたことを、ふたりは感じていた。

福猫とご対面

参道を抜けると、ふと笑顔になれる存在が現れた。
真っ赤な傘の下に佇む、まるまるとした福猫像。
ハッチは手を振り、ココロはにっこりと隣に浮かぶ。
なんでもない風景なのに、「大丈夫だよ」と声をかけてもらったような気がした。

水の音と、祈りの静けさ

手水舎のそばに来ると、風景は一段と静かになる。
龍の口から流れる水と、丸い御神石のまわりを満たす清らかな音。
ハッチは柄杓を手に取り、そっと手を清める。
ココロはじっと見つめながら、花と水の気配に耳を澄ませている。
忙しない日々の中で、ここには“息を整える”時間が、確かにあった。

街と神社の“あいだ”にあるもの

背後に高層ビルがそびえる中で、露天神社は揺るぎなく、静けさをたたえていた。
境内の中心に立つと、鳥の声がふわりと耳に届く。
ハッチはしばらくの間、何も言わずにその空を見つめていた。
都会と自然、時間と記憶、その“あいだ”に確かにあるものを感じていたのだ。
ココロは、そっと隣に浮かびながら、目を閉じてうなずいていた。

最後に:ハッチとココロの旅の記録(ハッチの絵日記)

鳥居の外に出たあとも、心の奥にはあたたかな風が残っていた。
ハッチ:「また来たいな、ここ。都会の中なのに、すごくやさしかった」
ココロ:「願いがたくさん、ここに集まってるからかもね」
鳥居の前でふたりは立ち止まり、もう一度振り返って、そっと一礼した。

ハッチの絵日記風・露天神社を描いたクレヨンイラスト

基本情報|露天神社(つゆのてんじんじゃ)

  • 所在地:大阪府大阪市北区曽根崎2-5-4
  • 御祭神:菅原道真公(天神様)
  • 由緒:平安時代の創建と伝えられ、地元では「お初天神」の名で親しまれています。近松門左衛門の浄瑠璃『曾根崎心中』の舞台としても有名です。
  • 見どころ:お初・徳兵衛の銅像、心中物語にちなむ縁結びのご利益、多彩な奉納絵馬
  • アクセス:Osaka Metro「東梅田駅」徒歩約5分、JR「大阪駅」・阪急「梅田駅」より徒歩10分
  • 拝観時間:参拝自由(社務所は9:00~17:00頃)
  • 公式サイト:https://www.tuyutenjin.com/

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